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2011年4月9日土曜日

地震による液状化現象を知る

1995年1月7日、阪神淡路大震災が神戸を中心とする地域を襲った。当時私は、高校3年生で、4月からは日本大学工学部土木工学科への入学を控えていた。

東北の片田舎には震災の影響もなく、予定通り大学へ入学。1月の大震災を受け、授業は地震一色だったことを覚えている。中でも、土質力学の担当講師が、土木学会の調査チームとして現地で撮影した写真は衝撃的だった。後に、六甲アイランドの液状化現象の写真を教材に授業を受けたことを覚えている。

さて、昨日ある方(公認ホームインスペクターだそうだ。)のブログを拝読していると、「液状化による不同沈下や圧密沈下が・・・」という一文に目がとまった。というより、目が点になった。液状化と圧密沈下とではそのプロセスも現象も全くの別物なのに、さも、液状化現象が圧密沈下を誘発するみたいな表現に驚愕したのである。

その方は、どちらかというと金融が専門の様子。無理に技術的なことに触れなければ、こんな間違いはしなくて済むのにと思うと、悔やまれてならない。

ここで、液状化現象のモデル的な発生ケースをおさらいする。液状化は、どんな土質でも起こる現象ではない。条件(図参照)としては、1,土質の粒径が揃っている。2,地下水位が高い。3,締め固めが不十分で、土粒子の構造が高位構造になっている。という場合、高エネルギーの地震力を受けることにより液状化する。この様な条件は、沿岸の埋め立て地に揃いやすい。今回の地震でも京葉地域などの沿岸部で液状化が起きている。



では、どう対策をすればよいのか。先ずは、この様な危険のある地域は避けるということである。どうしてもその様な場所に住宅を建てなければいけない場合も、対策はある。

先ずは、スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)などを用いて地盤の状況を把握する。SS試験は主に地耐力を調査する試験であるが、貫入速度や回転数などから、ある程度の土質を推定することができる。その上で、前述の3つの条件のうち1つでも崩してやれば液状化はおきにくくなる。たとえば、地下水位を下げるために暗渠やサンドドレーンなどを用いる。また、粒径を不揃いにするまたは構造が崩れないようにするために地盤改良等を行うのである。

液状化への有効な対策は、1に調査、2に改良である。これらの情報を踏まえ、専門家とよく相談をすることが肝要である。

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