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2011年2月23日水曜日

両忘

両忘とは禅語である。二者択一の概念を捨て、本質を見極める視点である。近視眼的視点を戒める。

昨日の新聞だったか。『特例公債法案不成立の見通し。』なる見出し。何のことだろう?これって、単年度で赤字国債を発行するための法案なのだ。これが成立しないと、来年度の7月以降の予算が財源不足で先送りになる可能性がある。

なんだろう。政局重視で、国民の生活は二の次。子供手当一つとっても、賛否の別はあれ既に支給されているものがなくなれば、家計への直接的な打撃は避けられないだろう。

民主党がダラシナイのは周知の事実だ。が、砂上の楼閣という言葉もある。自民の一党独裁が長らく続き、膿が溜まっていることも否めない。膿を出し切らない軟弱地盤の上の楼閣は正に累卵の危うきである。

だからといって、民主党に同情ばかりもしていられない。松下政経塾出身の“ボクちゃん”議員には辟易する。もっと地に足のついた粘り腰の、“正義のこぶし”を悪戯に振りかざさない政策を望む。

とはいえ、それらを選んだのは我々国民である。我が国の民主主義は、余りにもポピュリズムに振れている。メディアの助長、国民の無知。それらが、民衆迎合のポピュリズム政治を生む。その最たるものが河村氏を始めとする“地方政党”だ。減税の先に何があるのか。世界の流れは本当に減税なのか。減税=景気浮揚=増収という単純な連鎖を、本当に信じられるのか。机上の数字を列記されてもピンと来ない。それなら、増税でも、医療も介護も教育も無償の方が良いような気がする。もちろん、議論の余地は十分にあるが。

このへんで、我々も民主主義の行く先を考えなければならない。報道の裏側、記事の行間を見抜くマインドが重要である。

いずれにせよ、我々国民の生活に直結する予算は、救国の大同団結で早期成立をさせるべきである。