2012年10月21日日曜日

桧材のヒートロールプレスに関する考察


近年、杉や桧といった針葉樹のフロア材を施工する住宅が増えている。肌触りや熱伝導率などが人にとって優れている一方、傷のつきやすさや手入れの負担が大きいなどのデメリットが挙げられる。そこで、針葉樹種フロア材に熱と圧力を同時に加え、表面を固化させるヒートロールプレス(以下HR)と呼ばれる加工をする機会が増えつつある。

今回は、桧材に対してHR加工を施した材の小口方向断面を電子顕微鏡で撮影した画像について考察を行う。

画像にA及びBと示した円内の細胞に注目されたい。A円内の細胞壁は圧力によって押しつぶされている一方、B円内のものは正常である。このことから、HR加工の及ぶ範囲は極めて限定的であることが分かる。また、熱を加えながらの加工のため、筆者は少なくともA円内細胞の炭化を期待した。しかし、画像を見る限り、炭化の形跡はない。このことから、表面固化の要因として、炭化以外のもの、例えばリグニンの精製などが推測される。仮にリグニンが精製されているのであれば、固化ばかりでなく、防腐に関する期待も高まる。

HR加工は、実施されるに至ってまだ日が浅い。今後、ケーススタディーを積み重ねつつ製品としての確度を高めていくことを期待したい。

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