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2013年2月27日水曜日

2013年2月13日水曜日

ツァラトゥストラ

読書感想文(●´ω`●)ゞてへぺろ


「神は死んだ!」の本である。正直に言って、本書全体の1/3も理解できてない気がするけど。キリスト教に対する強烈なアンチテーゼだが、その実「人間だったんだよ。神なんて。人間と「私」の貧弱なひと切れに過ぎないのさ!」「創造し、意欲し、評価する「私」こそあらゆる物事の尺度であり価値なのだ。」と、人間を積極的に肯定する一大人間賛歌なのだ。これに対してではないが、ゲーテは、宗教改革者の立場を批判して「人間はひたすらキリストの功績を認識し、彼の恩寵にあずかるよう努力すべきであり、そうすればそのまま善行に通じることになる。」と解説している。仏教的に言うと他力本願ってとこ。他力が悪いわけではないが、ここまで依存しちゃうと気持ちが悪い。

さて、主人公の名前でもあり本書のタイトルでもある「ツァラトゥストラ(Zarathustra)」とは、何なのだろう?ツァラトゥストラは、Zarathustraのドイツ語読み。これを英語読みすると、ゾロアスターとなる。ゾロアスター教なんて宗教を耳にしたことはないだろうか。別名を拝火教とも言い、我が国におけるお盆の迎え火や送り火などは、この影響だと言われる。その開祖の名を借りた物語なのだが、ゾロアスター教の教義とは一切関係がない。むしろ内容は仏教的。ニーチェ的には、ツァラトゥストラ=東洋みたいな位置づけだったんだろうね。

 「この地上で、これまでの最大に罪はなんだったか?それは、「ここで笑っている者は不幸である!」と言ったイエスの言葉ではないか?あの人は、この地上で自分で笑う理由を見つけることができなかったのではないか?だとすれば、探すのが下手だったんだ。子どもならこの地上で笑う理由をいろいろ見つけるのだが。あの人には愛がたりなかった。愛が十分だったら笑う俺たちのことも愛してくれただろう!しかし、あの人は俺たちを憎み、馬鹿にした。俺たちが泣き喚き歯ぎしりすることをあの人は予告した。相手を愛せないなら、すぐ呪わなければならないのか?呪うなんて悪趣味ではないだろうか。だが、あの絶対者はそうしたのだ。あの人は賤民の出だった。そして、あの人自身に愛がたりなかっただけだ。愛が十分だったら、自分が愛されないからといってあんなに腹を立てることもなかっただろう。大きな愛は、愛をほしがらない。~第4部・高級な人間についてより~」

本書中のニーチェによるキリスト批判のハイライト。端的に言ってしまうと、(イエスは)育ちが悪いから、笑えないし僻みっぽい。そんなヤツの言うこと聞くことないよ。それに俺(ツァラトゥストラ)は気づいたのだ!だから俺の中で神は死んだ!もっと笑おう。ちっぽけな理性なんかよりカラダと向き合おう!って感じ。資本主義や民主主義は、キリスト教的価値観の上に成り立っているから、最近の経済や政治がオカシイのも、実はこんなところに原因があったりして。ちっぽけな精神よりカラダを!苦悩より笑いを!西洋より東洋を!って本でした。



2013年2月10日日曜日

同窓会??

先日上京した際、研究室時代の仲間と、新橋で食事をしました。当初は、写真奥私の向かいでジョッキ片手に笑顔の彼とだけ会う予定でした。が、彼のサプライズで東京近郊で働いている数名が急遽参戦。賑やかな会となりました。この不況下、みんなの建築に係る様々なシーンでの活躍を見聞きし、元気をもらいました。

しかし、工学系の研究室だから、男ばっか(´Д` )新橋が似合う歳にもなっちゃいましたし(´-ω-`)

絶望の隣は希望です!

読書感想文です(´-ω-`)




「いくつもの電車に乗り遅れ、ようやく乗り込んだはいいが、その電車はすし詰め状態。とても座る席などありません。でも僕は電車を降りなかった。僕は人生は満員電車じゃないかと思うんです。我慢して乗っていると次々に人が降りていっていつの間にか席が空いて座れる。」著者のやなせたかし氏は、ご存知アンパンマンの作者。60歳近くなってアンパンマンが売れ出して、それが代表作だというから遅咲きもいいところだろう。そんな著者の言葉だから重みがある。もちろん、じっと我慢して満員電車に乗り続けていたわけではない。「詩をかく、絵をかく、恥をかく」の3かく運動を地道に積み重ねてきた結果かのだ。ちなみに、“恥をかく”は、恥はかき捨ての精神で何にでも挑戦することの例え。
 冒頭の一文がラジオから聞こえてきた。含蓄のあることを言う人もいるもんだなどと思いながら聞いていると、アンパンマンの作者だという。もちろん、名前くらいは知っていたが、どんな人物かと興味がわいた。本を読んでみると、不遇というわけではないが、30代半ばの独立から60歳のアンパンマンまで代表作がなく、それに対するコンプレックスや葛藤があったようだ。こんな詩が載っていた。

絶望の隣にだれかがそっと腰をかけた
絶望は、隣の人に聞いた
「あなたはいったいだれですか」
隣の人はほほえんだ
「私の名前は希望です」

“一寸先は闇”という言葉がある。が、著者は“一寸先は光”になることが人生には往々にしてあるのですという。私たちも、実はそういう体験をたくさんしているのに、一寸先は闇と肩をすぼめて生きている。そんな生き方、なんだかつまらないな。なんて思ってみた。

変わってアンパンマンのはなし。著者曰く、アンパンマンは、世界最弱のヒーローなのだそうだ。少しでも顔が濡れると弱くなって、すぐにジャムおじさんに助けを求める。そのくせ、お腹のすいた人には顔を食べさせてしまう。氏は、「本当の正義の味方なら、まず飢えている人を助けるべきでしょう。その後で正しいとか、正しくないとか主義が違うとか言うならまだしも、罪もなく死んでいく人を見捨てて戦っているのはおかしい。」著者の戦争体験が、強烈に反映されているようだ。「困っている人には手を差し伸べ、飢え死にしそうな人には食べ物を分けてあげたいという気持ちは共通のはずです。僕は、そう信じたくて、そんな思いから、困っている人には自分の顔をちぎって食べさせる心優しいアンパンマンを誕生させることにつながりました。」くどくなるので割愛するが、著者の人生哲学そのものなのだそうだ。この本を読むと、アンパンマンの見方が変わる。メルヘンではなく哲学になってしまうのだ。それも良し悪し。(物理的にも)読みやすい本なので、一読をおすすめする。